11月14日(日) これから選択しなければならない3つの選択肢についての導入のお話。

まずは、こちらをご覧いただきたい。
http://togetter.com/li/69338


11月14日の夜に竹内氏という美大卒&現在若くして独立法人を経営されている人との会話である。
竹内氏の「準ひきこもり」という話に対して、会話が続いていったのであった。


この会話から非常に面白い事が分かってくる。
実はちょうど15日にこの様な記事が掲載されていたので、こちらも参考されたい。
「卒業後3年は新卒扱いに」 厚労省、雇用指針を改正 若年雇用の拡大促す
http://s.nikkei.com/aMNvpn


この記事はいったいどのような影響を現在の日本に与えるのか?
私としてはこれは企業の「卒業後3年間は“試用期間として”雇う事が出来る」という点で、新卒・雇われ側に有利な政策ではなく、企業・雇う側に有利な政策であろうと思う。
つまり、「人を雇う事のハードルを下げる事によって、雇用促進をする」という事だ。
しかし、これは、更なる仕事環境の悪化を招く恐れがあると私は考えている。
雇われ側になった時、そして「新卒は社会経験がない」という点で実績主義を採用している日本ではこの条件は新卒にとって不利益が大きい。これは大きく2つの点にまとめることが出来るだろう。


1.「卒業後3年間以内に経験した事はほとんど意味が無くなってしまう。」
新卒とは先ほども書いたように「社会経験がない」という一種の白紙状態である。
逆に言えば「新卒は経験がないのが当たり前のために様々な業種にやる気だけで採用される」というメリットが存在する。
しかしながら、卒業後3年間で得た社会経験を評価されないというのは非常に大変なことになるだろう。
何故なら、卒業後3年間という3年間の就職活動は「中途採用希望者」と枠を争うからである。
そう考えた時に、「未経験である」という点で入れる業種が果たしていくつあるだろうか?数えるほどしかないのではなかろうか?
ただ、実際のところ、現実問題としてその様な状況に陥る事はあまりないと思われる。
1年でも2年でもその実務経験があるというのは、たとえシステム上は「新卒扱い」でも、多くの企業で「経験」として評価される事だろう。


2.「卒業後3年間は“クビを切っても新卒として保護される”という点で3年間ちゃんとした教育をせず、3年以内に新卒をクビにする企業が出てくる」
新卒採用を実施している企業で、新卒教育プログラムに力を入れているところは非常に多い。
それは、3年後・5年後・10年後を考えての教育である。
しかも、本来日本のシステムでは「終身雇用」と共に「中途採用枠が少ない」ことも相まって簡単にクビにすることが出来ない。
ところが、ご存知の通り、もはや中堅レベルの企業でも「終身雇用」はお飾りにすぎなくなってきている。
その上、3年間新卒という特権的身分(未経験でも働ける・未経験でも当たり前という特権)を付与するというのはすなわち「中途枠を広げる政策」の一環として位置づける事が出来る。
よって、多くの企業にとって、“3年以内であれば、新卒を試用期間として扱うことが出来る”という様な判断になるのではないか?という問題になる。
しかも、試用期間中、しっかりとした教育プログラム等本当に実施されるのかは甚だ疑問である。
昨今、若い人たちの労働意識・勤労態度なども問題にされているが、その一方で企業側の教育プログラムの見直し等の問題も挙がっている。
その中での、この政策は、企業と新卒の関係を更に歪めるものになるのではないか?と警句を鳴らすものである。


さて、以上の2点を前提として、先ほどのTogetterの議論を続けてみよう。
雇われる事に対して、現在の日本にはなんとリスクが存在してしまったのである。
本来の「終身雇用」に守られた被雇用者には、「とりあえず会社にいれば」リスクはほとんどなかった(会社が潰れなければ)。
しかし、クビになるかもしれないというリスクが、特にこの新卒期間としての3年間は物凄く高いという事だ。


自分で稼ぐか?それとも組織に所属するか?のいずれかを選択しなければ賃労働はほぼ不可能である。
今後の人々は、「どちらの方が自分にとってリスクが少ないのか?」という選択をしなければならなくなった。
もはや、エスカレーターの様に、中学⇒高校⇒大学⇒就職 とはいかなくなったのである。
その上で何を選択するのか?という極めて難しい社会に入ったのだと思う。
その選択の際の1つの道しるべとして、Togetterでの話を読んでもらいたい。


人生を生きていくためには、3つの生き方があると私は思う。
1.周りの環境に自分を合わせる(adjusting)
2.自分に合った環境を捜し求める(seeking)
3.周りの環境を自分に合わせる(Creating)


アナタは何を選ぶのか?そう、主体的に選ばなければならない時代となったのである。
どれも、それ相応の苦労と努力を必要とする。どれも誰かにとっては正解になりうる。
この様な思考を、今後とも続けていって欲しい。


「自分の人生だ。他人に決められるほどバカらしいことは無いよ。」