新しいC案を作れるのがマイノリティの特権である。

多くの場面で、マジョリティの意見がマイノリティの意見を押しつぶしている。
時には、マイノリティな意見だからという理由で却下されることも多い。
ただ、私はこれには一応一理あると思っている。
「多くの人にとっての良いは"だいたい"正しい」からである。
ただ、問題なのは"だいたい"であって、ずれていたりピントが外れていたりすることもある。


そうした中で、マジョリティの意見をA案とし、マイノリティの意見をB案として色々と議論させてみる。
この際、マイノリティが頑張れば頑張るほど、多くの点でマジョリティの意見が強者の理論が発動している時が多いようだ。
その結果として、マイノリティの意見は弱者寄りであるともいえる。


往々にして、マイノリティの意見はマジョリティの意見に汲み取られることはない。
さらに言えば、基本的に踏みつぶされる状況にある。
これに気が付いている事を前提に人は2つの行動をとるのだろう。
1つは、マイノリティが意見を曲げてしぶしぶ従うという行動である。
一方で、マイノリティが「納得できない」と戦う場合がある。
私は、空気に支配されるぐらいなら戦った方が良いと考えている。
しかしながら、戦いしか方法を知らないのであればそれは間違っていると思っている。


マジョリティの意見は、多くの場合、多くの人の幸福を前提としている。
なぜそれがマジョリティの意見なのかといえば単純に、それ故に利益を享受する人数が多いからである。
マイノリティの意見が受け入れられない最大の理由は、それ故に利益を享受する人数が少ないように感じられるからである。
重要なのは、"感じられる"のであって、実際如何であるかが問題となっているのではない事だ。
そう考えていくと、マジョリティの意見も、「より多くの人が利益を受けると考えている人が多いから」マジョリティであるという事だ。
という事は、そうではないのだという事を明確に納得させれば良いのである。
ちなみにここで重要なのは説明ではない。納得である。


その様な視点に立った時、マイノリティは有利な立場にある。
なぜなら、マジョリティを"攻める"立場にあるからである。
しかし、戦いは選択してはならない。
なぜなら、「好戦的な相手の意見に納得できる人間は少ない」からである。
好戦的な相手の意見は、たとえ素晴らしいものであっても基本的には態度の硬化に繋がる。
そこで、マイノリティの基本戦略は、「自らの意見を取り入れた上で、あたかもA案に近いかのようなC案の作成」という事になる。
これが一番成功率が高いのではないだろうか?


マジョリティに耳を傾けさせること。
これが、マイノリティが最初にやらなければならない基本戦略である。