Artが世界を変えうる理由

Artは世界を変えうる。
変える力があるという意味ではない。
変える要素を備え持っているという事である。


デザインは世界を変えない。
デザインはツールでしかないのだ。
Artはツールではない。では何か?


Artは存在的には無である。
無価値なモノの集合体である。
なぜ無価値なモノなのか?
それはArtは明らかに他人のために存在しておらず、自分のためにしか存在していないからである。
無価値なモノがなぜ世界を変えうるのか?


この問いは空虚な問いである。
何故なら、現在の世界において無価値であることが、唯一次に来る無価値ではなくなる可能性がある世界を追及できるからである。
Artは相手の顔色を伺いながら作り上げるものではない。
それは、個が蟷螂の斧で以て広大なる世界と対峙する様な空間である。
蟷螂の斧が世界を叩ききる。
その瞬間に世界が変わるのである。


Artには存在価値はない。有意義なモノではない。
しかし、その価値の無いモノを価値があるのだと認めさせることこそ、世界を変えるために必要不可欠な行動なのである。
Artとはその行動そのものである。
故に、Artは世界を変える要素そのものなのである。